あっさりと

水飯の胃の腑にするり落ちて昼

だんだん胃の方も元気がなくなった。

ご飯を食べるのも面倒で、冷たい麦茶でお茶漬けだ。
ぜいたくなおかずも要らず、残りもので十分。
脂肪の蓄えもあるので当分大丈夫だろう。

期待もされず

しもつけや市井に生きて似非詩人
しもつけや賞罰特になき履歴

目立たない花だ。

名前も知らず一生を過ごされる人は多いと思われる。
それは花自体が地味というか、むしろ花と言うより泡の粒の集まったようなものだからだろう。
しかも、6月頃から秋まで散らず咲き残っているせいもあって、いつが盛りかさっぱり分からないこともあって注目度が極端に低いのだ。
探せばいろいろな場所に植えられているのだが、何しろ桜や藤などのように「咲くのを待たれる」たぐいの花ではなく、ほとんどの人に見逃されているようだ。

夏遠し

鶏鳴の夜具たぐり寄す梅雨寒し

タオルケットじゃ寒い。

夢もうつつで足もとの夜具を引き寄せる日がつづく。
Tシャツ一枚では昼寝どころではなく、簡単には暑い夏はやってこないようだが、東日本ではもっとひどいとも。
暑ければうらみ、寒ければこぼし。さて、今年の夏の行方は。

段ボール箱の空気枕

アマゾンの函を枕の昼寝かな

眠くなったら近くのものを手当たり次第枕にする。

手に届くものがなければ、文字通り手枕で。
ただ、夏はこのやり方はさすがに肌と肌とが触れあってべたつくので気持ち悪い。
アマゾンというのは、何でもかんでも空気をたっぷり詰めた函に品物を梱包してくる。何とももったいなあと思うばかりだが、作業の標準化やら、効率化、宅配業者の便宜などのためにこの方式を採用しているのだろう。
たった一冊の本でもそれなりの厚さの函になるので、これがちょうど昼寝の高さにいいのだ。段ボールでできているうえ、中が空洞だから熱がうまく逃げて枕にはかっこうの材料となる。
ただ、人間の頭というのは体重の一割ほどはあるというから、その重さをうまく支えるように箱の角や稜線をうまく使う必要がある。
寝返りを打てば外れてしまうから、長々と寝てしまう傾向にある筆者には適っている。

日課

少しづつ庭の草引く日課かな
草引いて三日もすればもとの庭
草引やいたちごっこの死ぬるまで
死ぬるまで草引つづく根レース

毎日よく伸びる。

気がつけば少しづつ雑草取りをしているが、一周する頃にはもとの状態になって、まさにいたちごっこである。
とくに、この雨がちな毎日はたっぷりと水分を補給するので、雑草天国なのである。
いっそ、除草薬をまこうかと思うが、みぃーちゃんがうろうろする庭なのでそうもいかない。
かくて、晴れ間をねらってはこつこつ引くのが日課。

暑苦しい花

滑り台灼けるだけ灼け百日紅

当地には百日紅の古木をよく見る。

それはどれも太くて見事なほどつるつるな肌をしており、あらためてサルスベリと名づけられた所以を実感する。
この暑いとき、しかも残暑の候に移っても長々と咲き続ける花は鬱陶しいほどで、あんまり好きではないが、古木の下にいて高いところにある花を見上げるという視点は悪くはない。
日中誰もいない公園に百日紅だけが我が世を謳歌している。

今日は予約投稿。

海霧山霧

夕菅の崖になだれて佐渡島
夕菅の島に海霧這い上る

夕菅の仲間が多くて整理しきれない感じ。

色から黄菅とも言う。代表が尾瀬で知られるニッコウキスゲ、佐渡や山形沖の飛島にはトビシマカンゾウなどなど。
霧降高原キスゲ平の群落も見事で、霧に覆われた草原はおごそかな幽玄界である。佐渡の海霧に包まれるキスゲもまたいい。