ひと湿りを

ひと雨のどんと来てみよ日雷

相変わらずの夏の空。

これで何日連続の真夏日だろうか。
今月いっぱいは続くというから、せめて夕立でも來てほしいところ、そのもしやの雷が鳴ったので今か今かと待ったが空振りに終わった。

すこやか

ご機嫌の跣足のぞかせベビーカー

久しぶりに電車に乗る。

バギーにまるまると健康的な赤ちゃんがしきりに跣足をばたつかせている。
お母さんがすぐそばにいて、ご機嫌の様子である。
夏痩せも知らず、すこやかに育っているのを見るのは、よその子供であろうと嬉しいものである。

背伸び

身を揺すり背伸びしてみせ子蟷螂

カマキリの子供も3センチくらいに育ってきた。

ふと気がつくと、足もとで左右にスウェイするようにしてこちらを警戒している。
そうやって、できるだけ大きく見せようとしているらしい。
しばらく睨めっこしていたが、注意をそらしてやるとこれ幸いと茂みへ逃げていった。
カマキリの子供としては、身を守るためにできる限りに精一杯を尽くしたんだろう。

熱帯夜

天瓜粉残る朝のひげ剃り機

天花粉もどきのベビーパウダーは必需品。

湯上がりにこれを叩かないと、せっかくの風呂なのにすぐ汗にまみれてしまうからだ。
もうひとつ、いや二つの効用は一に汗疹除け、二にひげ剃り機の滑り。
とくに皮膚が弱くて、肘、二の腕など弱い部分は一日何度でも汗を石鹸で流さないと、気持ちが悪い。
そうして、熱帯夜が幾晩も続くこのごろは、目覚めの顔も脂汗でべっとりしている。シェーバーがひっかかって滑らない。そこで天瓜粉が役立つ。夕べの粉が残っているうちにシェーバーを当てるのだ。
ただ、二階は寝ようとすると室温35度。階段から上がった途端夜でもむっとするこの熱帯夜はかなわない。冷房をきかせた寝室以外は早朝ですでに30度近い。
今日は早くも9時過ぎには居間に冷房が入った。

心労

夏痩せてむくみし膝をさするなり

どこか疲れた顔をして被災地をさまよっている。

議員会館で気炎をあげている写真もどこか、顔がむくんで、どこか悪いんじゃないかと思える。
股関節炎だということだが、その原因となるような病がかくれているような気がしないでもない。
それとも心労が重なったか。

勲章

はらからを叱る長女の汗匂ふ

今日も汗をいっぱいかいた。

汗というのは貴いものだと教わったが、近年は不快なものの代名詞のように思われてはしまいか。
やれ、制汗剤だの、汗取りシートだの。

ぐっとさかのぼって、近所にひとつ年上のお姉さんがいた。美人ではけっしてなく、父母を助けていろいろな家事をこなしているので顔は真っ黒けに灼け、あか抜けたところなど何一つなかったが、多くの弟たちを一喝で黙らせる肝っ玉姐さんであった。
ただ、他人にはちょっと人見知りするというのか、シャイなところがあって、近づくとすっと避けるようにするのだ。
たぶん、そのわけは彼女の体質によるものだと、小さいながらも理解できた。彼女の汗がすえたような匂ひを放つのだ。「わきが」というやつだろう。
ただ、働き者の彼女を揶揄するものなど誰もおらず、いま思えばあの匂ひは彼女の勲章だと思えるのである。
あの日から60年。彼女や一緒に遊んだわんぱく小僧はいまどうしているだろうか。

サンスクリット?

棚経のふりがな追へる唱和かな

昨日の続き。

住職の読経はとても早くて、追いつくのが大変だったが、今年の副住職はまるで逆。自分がふだん読んでいるテンポよりはずっと遅く、おそらく素人が唱和しやすいようにとの配慮だと思うが、それがかえってテンポを狂わされて息継ぎがうまくいかない。
まして、ふだん読んだことのない「大悲心陀羅尼」
は、漢字を追うと言うよりふりがなを追うしかない独特の読みなので、いくらゆっくり読んでいただいてもとてもじゃないがついて行けない。
あれは、サンスクリットに近い「音」なのかもしれないなと思った。